王子様とハナコさんと鼓星

気持ち悪いけど、仕方がないよね。

「あ、そうだ。あの、凛太朗さんにこの事について連絡しちゃいましたか?」

鞄からスマホを取り出す。電源を付けるが、着信はない。

「いえ。まだです。帰りが遅くなる関係で会長にはご連絡致しました」

「そうですか。あの、凛太朗さんには彼が帰って来てから説明をします。それまで、伏せていて欲しいんです。会長にもその事を伝えてくれませんか?」

「え、ですが…」

「今、向こうで仕事を頑張っています。きっと、この事を知ったらあの人は心配します。負担にはなりたくないです。帰って来たらきちんと説明します。だからお願いします」


風間さんは直ぐに返答しなかった。だから、もう一度だけ懇願すると、渋々「はい」と。

大丈夫だよね?言わないよね?少し不安だったけれど、それ以上念を押す事はしなかった。



そして、15分ほどでマンションに到着。部屋の入り口で荷物を受け取る。


「風間さん、本当に今日はありがとうございました」

「はい。あの、本当に大丈夫ですか?やはり、今日は凛太朗様のご実家で過ごしほうが良いかと」

マンションに到着する前、風間さんは直ぐに会長に連絡をしてくれた。私が凛太朗さんには言わないと懇願した事を含めて。


了承はしてくれたけれど、今夜は私の自宅に来なさいと誘われた。それを断り、マンションまで送ってもらったのだ。
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