王子様とハナコさんと鼓星


「まぁ、私からは以上。もう言わない。それより早くお風呂に入って寝よう?明日になればいい答えが見つかると思うから」

「うん…」


寮の入り慣れた狭いお風呂にはいる。髪の毛を乾かして桜から借りた化粧水をつけ約30分ほどでお風呂を出た。

寝間着を借りて用意してくれた布団に潜り込む。夜の22時。少し早い気がしたけれど、桜は部屋の電気を消してしまう。


「おやすみ。明日、見つからないように少し早く出てカフェで朝ごはん食べてから仕事に行こう」

「うん、おやすみ」

身体を丸めて横になる。目を閉じると、今度は凛太朗さんの事が浮かんで来た。


凛太朗さん、もうマンションに帰って来たよね。スマホ置いて来たから、彼が今どこに居るのか、何を思っているのか分からない。

怒っているかな?心配しているかな?

風間さん達から、あの事を聞いてしまったかな?もし、聞いたのなら…出て行ったとか思ってないといいな。


会いたかったのに、会うのが怖いとか…こんな風にウジウジしている自分が情けない。

遠慮しなくていいとか、何度言われても私は余計な事を考え過ぎて迷ってしまう。

もっと、素直になれたらいいのに。桜や凛太朗さんみたいに自信があればこんな事にはならなかったのかもしれない。

ごめんなさい。凛太朗さん。そう思い眠りについた。
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