王子様とハナコさんと鼓星
「喜んでくれて良かった。ところで、村瀬さんって恋人はいるの?」
そんな事を思いながら星を眺め、流れ星が流れるたびに「あ!流れた!」と叫ぶ中、ふと、突然社長が切り出した。
「え?と、突然ですね。残念ながらいません。そう言う社長は本当はどうなんですか?恋人とか…まぁ、いろいろと」
「はは、それこそ残念だけど、そんなに遊んでないよ。さっきの夢を叶えるためにそろそろ結婚を本気で考えてる」
「結婚ですか…いいですね」
「まぁ、だからと言うのか跡継ぎとか色々あってさ、父親や何故か支配人からお見合いを勧められているけど、気が進まないよね」
はぁっと、少し白い息を吐いた。ポケットに手をいれスマホを取り出すと明るい光が見える。
「この子、一昨日勧められた子。どう思う?」
画面を見せられ、着物を来た女性をまじまじと見た。
「凄い美人ですよ」
「じゃあ、この子は?」
「この方は、美人と言うより可愛らしいお顔ですね」
「まぁ、そう言うコメントだと思ってたよ」
画面を消してポケットにしまう。その腕を頭の下においた。
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