Dangerous boy
大人の部長は、可笑しそうに笑っている。

「バーテンダーさん、名前は?」

「僕ですか?宮島と言います。」

「宮島君ね。覚えておくよ。」

そしてまた、悪戯っぽくクスッと笑った。


「すみません!」

「はい!」

奥のお客さんに呼ばれ、宮島さんはそっちへ行った。

すると部長は、私の耳元の側に来る。

「まあ、俺はそのつもりだったんだけどね。」

「えっ……」

「君が直ぐOKをくれたのなら、このままホテルに行ってもいいかなって思ったけど、違うみたいだな。」

ストレートな言い方に、恥ずかしくて、目を合わせられない。

「もちろん、君とだからだよ。他の女には、絶対しない。」

それは、”俺は浮気しないよ”と、言っているのかな。

大人の口説き方に、思わずポーッとしちゃう。


「そろそろ、行こうか。」

「えっ!!」

”ホテル”って言う単語が出て来たから、余計に反応してしまう。
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