年上のアナタと大人の恋ができたなら

俺はあの日からデスクにプライベート用のケータイを置くようになった
いつ彼女からかかってきてもすぐ出られるようにだ

「専務?」

仕事中もついついケータイを見てしまう自分に苦笑してしまう
俺ってこんなだったか?
仕事中に女性のことを考えるなんてなかったのに

「専務!」と紺野の声にはっと我にかえった

「話聞いてましたか?」と眉間にシワをよせ俺を見る紺野

「悪いもう一度頼む」と言うと紺野がはぁーとため息をついた

「どうしたんですか?今日はいつもの専務らしくないですね
これは後に回しますか?」

「いや、今片付ける」そう言い書類を紺野から受け取った

今は仕事中だ、そう思い書類に目を向けていると仕事用のケータイが鳴った 
画面をみるとメールが1件入っていた
仕事のメールかと思いさっそくフォルダを開くと「!」

”こんにちはお待たせしてすみません、商品できました
つきましてはお渡ししたいのですが郵送でよろしいですか?
お返事お待ちしています 国府田美月”

待ち望んでた彼女からの返事が来た
しかし営業メールに少しがっかりだがまだ会ったばかりだ仕方ない
それにしてもこれで彼女の名前が分った
”国府田美月”か 俺は早速返信のメールを送った

”待っていたよ、商品は直接会って受け取りたい
都合のいい日を教えてくれ、キミにあわせる 桐生駿介”

その後彼女からの返信を待っていたが返事は来なかった
俺は軽くため息をつくと再度書類に向き合った


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