2.5次元少女
きらside



あれからずっと棗のことを考えてる。



嘘なら否定すればいい。

なにもしないから広がるんじゃないのか。

そんなことばっかり考えてた。



ガラッ

鴻「きらー!」

「なんだ」

鴻「女の子をデートに誘う時って
どうするのー?」

は!?
鴻に女が!?


「急になんだ?」

鴻「棗を試合に誘いたいんだ〜!」


ああ、そういうことか

鴻「棗かわいいなぁ」
なつめの写真を眺めながら鴻は
ニヤニヤしてる

鴻は棗が好きなのか?

「鴻、棗がs「好きだよ」!」


俺の質問を遮った鴻は
静かに俺を睨んでた。


鴻「俺はね、棗とは高1の時から仲よかった。
だから、浅く付き合ってた人たちより、棗のこと知ってるよ。笑顔が絶えなくて、誰にでも優しかった。好きだったよその時から。でもさ、あんな噂ができただけで、笑わなくなって今までと違う雰囲気出して。俺まで辛かった。いくら総長でも、なにも知らないのに関わるなとか言う、きらの事俺はね、大っ嫌いだったよ。お前のせいだろって。」

言葉が出ない。

大っ嫌いだった?
なんで過去形。


鴻「おれ、きらが嫌いすぎて
龍蓮花やめようとしてた」

は、そんなの初耳だぞ。


鴻「でも、棗が、その時だけ、いつもの愛想じゃない棗に戻って『どれだけ傷つけられても、
鴻みたいにわかってくれる奴がいるから
私は大丈夫だよ、自分の居場所を自分で無くすな』って言われてさー、あー棗はわかってたんだなって」


は、俺さっぱり分かんね


鴻「俺、龍蓮花は好きなんだよ
俺の居場所って胸張れるくらい。
それを棗は知ってたの。
だから本当は棗は大丈夫じゃないのに
大丈夫とか言ったんだろうねー。
棗の優しさに甘えてやめるのやめたし」



つまり、鴻にとって棗の存在は、




鴻「だから、



棗を俺の女にするから」


いつも可愛い天然野郎くせに、
こう言う時だけ、鴻はかっこいい。



「やめろよ。あんな女」





鴻「は?きらに何がわかるんだよ」


違う


「やめろ」



鴻「いい加減に「俺だって分かんねえよ」」




「あいつの噂なんて分かんねえよ。
分かんねえけど、
わかんねえからお前が、お前らが
何かあったら困る。
警戒からあんなことになっちまった。」



鴻「わかってるのになんでだめなんだよ」



わかんねえよ




「鴻には、やらねえよ」



ただ、今はとられるのが嫌だ。
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