2.5次元少女
ーーはじまりのはじまりーー





もう森崎は何もして来ない。

確信は、ある。




なぜなら私の赤い眼を見たから。










私の眼は、魔法を使うと色が変わる。
だから、森崎も私が魔法をかけたのに気づいてる。魔法というより、呪いだと思ってるだろうけど。

赤い目なんて気色悪いよな。






ーー優しい人になりますようにーー







……。

だいくんは、これすらも愛してくれた。


魔法が使えるのをだいくんは知らなかった。
ただ、目の色が変わるとしか思ってなかっただろう。赤に変わる眼を受け入れてくれるのはこの人だけだった。







きっかけは、歌だった。





私の魔法は音楽でできている。

音を、力に変える。



その日も、ただなんとなく、弾いていた。
ピアノがない音楽室には
エレクトーンしかなかった。


ただ当たり前に、現状維持の歌を歌って、
弱りきった身体を休めていた。




急にドアが開いて、
最初は警戒していた。

でも、次第に打ち解けて、
あいつが歌を作っていたのを知る。


私の、棗の力になるようにって。




魔法のこと知らないのにな。




でも純粋に嬉しかった。






だいくん、ありがとう








これが始まり。ーーー


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