副社長と秘密の溺愛オフィス
本日二度目となる現場は、すでに作業員も撤収していて静かだ。きちんと整理整頓されていて、一見問題がないように思える。
早速問題の指摘をされた資材置き場に向かう。懐中電灯の明かりを頼りに歩くが暗くて心細い。
スーツのポケットの中でスマートフォンが鳴る。取り出すとディスプレイには紘也さんの名前、応答しようとしたところで、パンッと手を叩かれた。
「痛いっ!」
振り向くとそこには、知らない若者が立っていた。ニヤニヤと笑うその風貌はお世辞にもいい人には見えなかった。
慌てて警戒する。落とされたスマートフォンは遠くに飛んでいってしまっていて助けを呼ぶこともできない。
じりじりと後ろに下がり距離を取るが、相手が襲い掛かってくるほうが先だった。
「いや、やめて」
相手は男性数名、なすすべもなくその場に引きずり倒され、ひとりが馬乗りになった。声を上げようとすると、頬を殴られパンと大きな音がその場に響いた。
「悪いな、ちょっと怖い思いをしてもらえば済むだけだから」
そう言われて、縛られたわたしは事務所のプレハブの中に監禁された。
どうしてこんなことに……。
さるぐつわをされて、声を出そうにも「うーうー」とうなることしかできない。若者たちは、わたしのスーツのポケットから取り出した財布から免許証と名刺を見つけた。
早速問題の指摘をされた資材置き場に向かう。懐中電灯の明かりを頼りに歩くが暗くて心細い。
スーツのポケットの中でスマートフォンが鳴る。取り出すとディスプレイには紘也さんの名前、応答しようとしたところで、パンッと手を叩かれた。
「痛いっ!」
振り向くとそこには、知らない若者が立っていた。ニヤニヤと笑うその風貌はお世辞にもいい人には見えなかった。
慌てて警戒する。落とされたスマートフォンは遠くに飛んでいってしまっていて助けを呼ぶこともできない。
じりじりと後ろに下がり距離を取るが、相手が襲い掛かってくるほうが先だった。
「いや、やめて」
相手は男性数名、なすすべもなくその場に引きずり倒され、ひとりが馬乗りになった。声を上げようとすると、頬を殴られパンと大きな音がその場に響いた。
「悪いな、ちょっと怖い思いをしてもらえば済むだけだから」
そう言われて、縛られたわたしは事務所のプレハブの中に監禁された。
どうしてこんなことに……。
さるぐつわをされて、声を出そうにも「うーうー」とうなることしかできない。若者たちは、わたしのスーツのポケットから取り出した財布から免許証と名刺を見つけた。