副社長と秘密の溺愛オフィス
「わかった。さっそくだけど……いったいどういうつもりだ。黙って部屋を出ていくなんて」

 きちんと整理整頓された部屋を見て、彼女が二度とあの部屋に戻るつもりのないことはわかっていた。その理由を知りたい。

「俺が何かした? 昨日のことなら、謝るつもりはない。俺は――」

「謝ってほしいなんて思っていません。わたしからお願いしたんですから」

「だったら、どうし――」

 問い詰めようとする俺に、明日香が白い封筒と突きつけた。

 まさか……。

 受け取ったそれを見て、胸が締め付けられた。いつかみたデスクの引き出しに入っていたもの――退職願だ。

 あれから色々あった。お互いの絆が深まり昨日身も心も結ばれたはずの俺たち。それなのにどうしていまさら……。あのときに破り捨てていなかったことを後悔する。

「どういうつもりだ」

 言いたいことはたくさんあるのに、それだけしか声にならなかった。
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