クールな御曹司の蜜愛ジェラシー
「片岡、桐生はまだ独身らしいぞ、連絡先くらい聞いておけよ」
「先生、私を呼び出した用件はなんでしょうか?」
感情を押し殺し、抑揚なく尋ねる。彼と引き合わせるためだけだったのなら、もう十分だ。さっさと仕事に戻りたい。
「そうそう。それで後期の外部講師の世話役は俺なんだが、桐生の件は片岡に任せようと思って」
あまりの衝撃内容に私の脳はフリーズする。
「なぜ、ですか?」
「同期のよしみでやってやれ。ちょうど割り当てられた部屋は学生支援課の上の三○二だし。部屋の機器についてはどっちみち事務の管理だろ?」
「そう、ですけど……」
私は言葉を濁した。できれば避けたい役どころではある。なんとかほかの案を思いめぐらせ、先生に逆に提案した。
「私より、か……江頭(えがしら)先生はどうです? 立場的にもいいと思いますし、彼も同期ですよ?」
「あいつは講義の持ち数は少ないけど、ほかの仕事がいろいろと忙しいからなぁ」
やんわりと断られ、心の中で肩を落とす。
「片岡さん、忙しいところ申し訳ないんだけど、よろしく頼めるかな?」
さらに彼から声をかけられ、私の心は波立つ。きっと下手に意識してるのは私だけで、幹弥はなんとも思ってない。
そういう結論に達すると、変に拒否する自分の態度が滑稽に思えた。なによりこれは仕事だ。かなり余計なものではあるけれど。
こうなれば頑なに断ることもできない。なにより名指しはいかがなものかと思うけど、講義のサポートも事務の仕事だ。
「先生、私を呼び出した用件はなんでしょうか?」
感情を押し殺し、抑揚なく尋ねる。彼と引き合わせるためだけだったのなら、もう十分だ。さっさと仕事に戻りたい。
「そうそう。それで後期の外部講師の世話役は俺なんだが、桐生の件は片岡に任せようと思って」
あまりの衝撃内容に私の脳はフリーズする。
「なぜ、ですか?」
「同期のよしみでやってやれ。ちょうど割り当てられた部屋は学生支援課の上の三○二だし。部屋の機器についてはどっちみち事務の管理だろ?」
「そう、ですけど……」
私は言葉を濁した。できれば避けたい役どころではある。なんとかほかの案を思いめぐらせ、先生に逆に提案した。
「私より、か……江頭(えがしら)先生はどうです? 立場的にもいいと思いますし、彼も同期ですよ?」
「あいつは講義の持ち数は少ないけど、ほかの仕事がいろいろと忙しいからなぁ」
やんわりと断られ、心の中で肩を落とす。
「片岡さん、忙しいところ申し訳ないんだけど、よろしく頼めるかな?」
さらに彼から声をかけられ、私の心は波立つ。きっと下手に意識してるのは私だけで、幹弥はなんとも思ってない。
そういう結論に達すると、変に拒否する自分の態度が滑稽に思えた。なによりこれは仕事だ。かなり余計なものではあるけれど。
こうなれば頑なに断ることもできない。なにより名指しはいかがなものかと思うけど、講義のサポートも事務の仕事だ。