運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~
「お忙しいところすみません……藍澤先生にお聞きしいことがあって。中に入ってもいいですか?」
「え、っと……ごめん、散らかってるんだ。別のところに移動しようか」
ちらっと部屋の中を振り返ってから、慌ててそう言った藍澤先生。
細く開けられているドアの隙間から見た感じ、別にキレイそうだけど……ん? まさか……。
『今頃当直室に、他の女連れ込んでますよ』
先ほどパーティー会場で蘭子さんに言われた言葉が脳裏によみがえり、私は小さくかぶりを振った。
……あれは、彼女の勝手な憶測だ。この際、散らかっててもいいから部屋を見せてもらって、藍澤先生の不名誉な印象を覆したいな。
「私は、ここがいいです。それとも、入っちゃまずいんですか?」
「いやいやまさか。……どうぞ、狭いけど」
今度はドアを大きく開けて、私を招き入れてくれた藍澤先生。
なんとなく辺りを見回しながら部屋に入っていくと、六畳ほどの部屋にシングルベッドとパソコン、デスク。それからクローゼットがあるだけの、簡素な部屋だ。