運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~


「気にしないでいいよ。っていうかむしろ幸せな話聞いてテンション上げたいし」

「そう……? 別にまだそこまで進展はないんだけどさ、無理やり押しまくってたら、サイボーグにも感情が芽生えてきた……みたいな感じかな」


照れくさそうに頬を掻く真帆。そっか、サイボーグ相手だと、恋愛にもっていく前にまずは感情を芽生えさせる作業からなんだね。


「じゃあ、少しは真帆のこと意識してくれてるんだ」

「たぶんね……相変わらず分かりにくい人ではあるけど」


いいなぁいいなぁ。いつか彼にもお会いしてみたいけど、藍澤先生のお友達だと思うと、すぐには無理かな……。

なんとなく残念に思っていると、真帆が神妙な顔になって話を私のことに戻す。


「私のことは置いといてさ……今日は本当に燃やすの? 婚姻届」

「……うん」


真帆の言葉に促され、私は用意していたライターとガラス製の灰皿をテーブルの上に置いた。そして最後に婚姻届けを広げて、じっくりと眺めながら思う。

ここに私が自分の名前を書いて役所に提出すれば、藍澤先生と夫婦になっていたんだよね。

でも、どうせ形だけの婚姻関係だったと思えば、未練なんか……ないもん。


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