運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~
「……何のご用でしょう」
『美琴ちゃん? 突然ごめんなさい、北条です。昨夜のこと、きっと誤解してると思うから、あなたに会いに来たの』
「誤解?」
『ええ。直接話したくないなら、このままの状態で説明させてもらうわ』
インターホン越しに? ちょっと、それは……話の内容的にもご近所から変な目で見られる可能性があるよね。
神鳥さんちの娘さん、婚約者に浮気されたらしいわよって……うう、それは困るな。
迷った末に私は玄関に向かい、早苗先生を家の中へ招き入れた。
*
北条先生と私と、それから真帆。ちょっと不思議な三人が部屋にそろった。テーブルを囲むように正座する私たちは、異様な空気に包まれている。
「真帆……こちら、北条早苗先生」
「は、初めまして。美琴の友人の水越真帆です」
「こちらこそ初めまして、北条です」
怪訝そうにじろじろ早苗先生を観察していた真帆が、私にこそっと耳打ちする。
「この人ってまさか昨夜の……?」
私は黙って首を縦に振り肯定した。
彼女こそ、当直室で藍澤先生と一緒にいたアヤシイ女性なのだと。