運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~


「そうするとさ、今までの子たちは、両親が医者イコール俺の実家は金持ち、の方に食いつくんだよね。病院の規模はどれくらいですかとか、実家にはお車を何台お持ちなんですかとか。じゃあ藍澤先生は御曹司なんですねって、語尾に急にハートマークがついたような喋り方をする子もいた」


苦笑しながら、過去の経験を語る藍澤先生。

それはまた露骨な……。藍澤先生もいい気はしなかっただろうな。

“親が医者”っていうだけでお金持ちのイメージを持たれる経験は私にも覚えがある。口に出して言われるのはせいぜい小学生くらいまでだったと思うけど……。


「でも、美琴ちゃんは違った。俺自身が考えていることを、知ろうとしてくれた。でも、あんなこと聞かれるの初めてだったから、焦ったよ。それに、ちょっと照れくさかった」

「確かに、照れてた気がします……あの時の藍澤先生。でも、いつもと違う顔が見られてうれしかった。これが、藍澤先生の素の顔なのかなって」


私がふふっと微笑むと、藍澤先生が急に眩しい物でも見るように瞳を細め、真剣な顔になった。


< 133 / 166 >

この作品をシェア

pagetop