運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~
ああ……ドキドキした。一体どんな写真になったんだろう?
気になって天河さんの方に向き直った瞬間、スマホを眺めていた彼が、ぷっと吹き出した。
「真っ赤」
くすくす笑いながらそう言って、画面を私に向ける。そこに映っていたのは、完璧なイケメンスマイルで映っている天河さんと、彼に肩を抱かれ、リンゴのように頬を赤く染めた私。
わーん、ブサイク! こんなの、ベストな自分とは程遠い……!
「け、消しましょう! それでもう一回、撮り直しで!」
「えー? この自然な感じが可愛いのに。もう一回撮るなら、次はキスしちゃうよ?」
スマホを片手に意地悪な口調でそんなことを言う彼。冗談とわかっているのにまたしても顔に熱が集中してしまう。
うう、これじゃ何度やっても同じような写真になりそう……。
「じゃあ、消さなくてもいいですけど……誰にも見せないでくださいね?」
「ん? ……ああ、うん。もちろん。二人だけの思い出だもんね」
なんだろう、今ちょっと間があったような……気のせいかな。
それより、“二人だけの思い出”か。……やだ、にやけちゃう。
緩みそうになる頬をぱちんと両手で挟んで、私は浮かれ気分をそらすように再び景色に集中するのだった。