運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~








翌朝。


「みーこーとーちゃん」

「ん……まだ、寝かせてください……」


ベッドの中で天河さんが私の名前を呼ぶ声がしたけれど、布団にくるまってそう返事をした。

昨夜は寝不足だし、全身が怠い。もっとも彼は宣言通り、初体験の私に痛みなんか少しも感じさせないほどのテクニックで、それはそれは甘い時間を過ごさせてくれたんだけどね……。

眠気と幸福な疲労感とでぼんやりする脳裏でそんなことを思っていると、裸のままの背中にチュッと唇を押し当てられた感覚がした。どうやら天河さんはなかなか起きない私に悪戯をすることに決めたらしい。

それから、唇はツツ、と肩と首筋を滑るようにして上に移動し、耳のそばまでやってきた。かと思うと、かぷっと耳たぶを甘噛みされる。いつの間にか、ウエストにも彼の両腕が回されていた。


「もう……」


天河さんってば……まさか、昨夜の続きをするつもり?

嫌なわけではないけど、朝からそういうムードになるのは恥ずかしくて、“やめて”と訴えるために彼の腕の中でくるりと体を反転させた。

そして、彼をきつく睨んでやろうと思ったのだけど……寝起きでとろんとした薄茶色の瞳と視線が合うと、その色気にドキッとして、結局は睨むことなんてできなかった。


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