運命的政略結婚~白衣の悪魔に魅入られて~
「大学の友達です。……あ、そうだ。その子、藍澤先生が前いた病院に就職するんですよ」
「へえ。看護師か何か?」
「栄養士です。もともと勉強できる子だし、研修は難なくこなしたみたいなんですけど……先生のお友達のせいで悩んでるみたいです」
「友達? 俺の?」
そんな奴いたっけ、とでも言いたげな顔で首をひねる藍澤先生。
「名前は聞きそびれましたけど……サイボーグみたいな脳外科医って」
「ああ! アイツか……。え、美琴ちゃんのお友達、なんか変なことでもされた?」
……やっぱりサイボーグで通じるんだな。にしても、変なことでもされたかどうか心配をしちゃうような、怪しいドクターなの?
「いえ。……ただ、友達はその先生に恋しちゃってるみたいで」
「え、あのサイボーグに!? ほ~。アイツにもようやく春が来たか」
藍澤先生は嬉しそうに目を細め、しみじみそんなことを言う。やっぱり、悪魔とサイボーグはお友達みたいだ。
……でも、本題はここから。