眠らせ森の恋
 



「つぐみ……

  つぐみ……」

 彼方から奏汰さんが呼ぶ声がする。

 そんなことを思いながら、つぐみは少し意識を取り戻した。

 どうやら、ツボを押したあと、ソファで押し返してもらっているうちに寝てしまっていたようだ。

「起きろ、つぐみ。
 俺に寄りかかって寝るな。

 襲う体力もないのに、襲わなきゃいけない気がしてくるだろ」

 襲わなきゃいけない気って、なんだ……と思いながら、つぐみは寄りかかって寝ていたらしい奏汰の肩から身を起こす。

「お姫様抱っこで運んでやりたいところだが、そうすると、ますます襲わなきゃいけない気がするだろ?」

 だから、襲ってはいりません、と思いながら、眠い目をこすっていると、
「上に上がるのがしんどいなら、毛布を持ってきてやろうか」
と言ってくれる。

「いえいえ、そんな滅相もない」
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