眠らせ森の恋
 ついにご機嫌を窺うこともやめたようだぞ、このスパイは、と思いながら、
「父親のかもしれないぞ。
 体格似てるから」
と言う。

 昨日違うとは言われたのだが、一応、そう言うと、チラと上目遣いにこちらを見た西和田は、
「ファザコンなんですかね?」
と呟いたあとで、出て行った。

 いや、ファザコンって。

 ていうか、それは、俺のことをあいつが好きだった場合だろ、と少しむなしく思っていた。





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