眠らせ森の恋
 




「というわけで、靴下にしてみました」

 なにが、というわけでだ、と奏汰は、帰った途端、カサカサと紙袋からなにか出してくるつぐみを見た。

 もふもふの毛糸で二重に編まれた物凄い厚さの靴下だ。

「まるで、あれだな。
 雪ん子が履いている……」

「ああ、わらぐつ」

 なるほど、そうですね、とつぐみは自宅でそれを履かせようとする不自然さには気づかず、言ってくる。

「床の上で滑るだろ」
と言うと、

「大丈夫です。
 赤ちゃんの靴下につける滑り止め、つけときました」
と言って、白いポツポツのついた裏を見せてくる。

「星形にするの、苦労したんです」
とそのポツポツが星形になっているのを、ほら、と顔に近づけ、見せてくる。

 俺は赤ちゃん扱いか、と思いながらも、自分のために編んでくれたことは嬉しくて、言われるがまま、ソファに座り履いてみた。
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