私の彼はオイルの血



凱斗は真剣に私を見つめる。
「俺の言ってる事が本当だったら、
約束守れよ」



ええ?

キ…キス…

こんな事有り得ないのに……何が狙いなんだろ?
「べ…別に良いわよ!そんな事有り得ないし!」




「フ……」
凱斗は鼻で軽く笑うとバスケットボールを持って走り出した。
「高校男子の平均ジャンプ力はどれくらいか知ってるか?」



急に何?




首を振る私。
「興味無いから知らないよ」





凱斗は見事なドリブルを見せる。
「62センチだ。俺は常人の10倍のチカラを持ってる」







常人の10倍?


何言ってるの?


凱斗は体育館を周り出す。
「常人の10倍。つまり6メートル20センチ飛べるんだ」





6メートル?



「だったら飛んで見せてよ!」








そんな事言うんじゃ無かった……











凱斗はニヤリと笑った










黒い髪がなびいてキラキラと輝く









ダンッ!!!!









と、
大きく床を蹴る音が体育館に響きわたる。








その瞬間









凱斗は















6メートル飛んだ……









3メートルもあるバスケットゴールを遥かに追い越して




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