溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
「その調子では三枚なんてあっという間に平らげてしまいそうだね」

「あぅ。わたしもジムに通います」

「それがいい。我慢して食べないで痩せるのではなく、好きなものを食べて運動して絞るほうが絶対にいいよ。そのほうがシルエットもきれいだしね」

「・・・・・」

「椿?」

 返事をしない椿に真壁が首をかしげる。

「・・運動、苦手なんですけど・・」

「なーんだ。大丈夫だよ。ここのフィットネスジムにはトレーナーがいるから、言えばちゃんと管理してくれる。アスリートになるわけじゃないんだから、簡単でゆとりのあるメニューを作ってくれる」

「そうですか・・そうですね、通います。アップルパイ、食べたいし」

 うんうん、と真壁が楽しそうに笑いつつうなずき、それから腕時計に視線を落とした。

「悪い、そろそろ行くよ」

「え!」

 時計は七時半だ。

「八時頃には行きたいんで」

「そうでした。匠さん、早いんだった。わたしも一緒に出ます」

「いいよ、そんなに早く行ったって椿は仕方がないよ。僕はメールがわんさか来ているんで、それを始業前に処理しておきたいだけだから。椿はいつも通りにおいで。じゃ」

 真壁はそう言って立ち上がり、椿の横を通り過ぎる際に頬にキスを落として自室に向かった。それだけで椿はうれしと恥ずかしさに顔を真っ赤に染めて硬直してしまう。とはいえいつまでも固まっているわけにはいかず、食器をシンクに運んで食洗器にセットする。そこに着替えた真壁が戻ってきた。

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