溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
椿の脳裏に山瀬の言葉が稲妻のごとく轟いた。
――留学経験もおありだし、もしかしたら日本人に興味がないだけかもしれないし、立場上言わないだけで、決まった人がいるのかもしれない。とにかく、想っても報われないから気をつけて。
なにかが一つにつながったような気がした。だとしたら〝好きだ〟と言ってくれたあれはなんだったのか――
(うそ)
そう喉の奥でつぶやくものの、どちらに対して言っているのか自分でもわからない。ただ激しく口の中が乾き、喉の痛みを感じた。
「タクミとは彼が留学中に知り合ったのだけど、グランパ関係でね。家族ぐるみのつきあいよ。お互いの結びつきは利益が大きいし、両家ともに、私たちの結婚に賛成していて楽しみにしているわ」
「・・そうですか。申し訳ございません、まったく知らなかったもので、大変失礼いたしました」
「あら、いいのよ。口の堅いタクミが会社の人にプライベートなことを話すとは思えないから。ただ、セクレタリーならコンタクトの関係で説明しているだろうって思ってしまって。こっちこそ悪かったわ」
「いえ、そんな」
「ねぇ、ツバキ、あなたおいくつ?」
「私の年ですか? 二十二です。もうすぐ、三になりますが」
「えー、若い!」
若いというマリだって充分すぎるほど若く見える。西洋人は年上に見えがちだが、マリは二十代半ばほどの印象なのだが。
「コールドマンさまは?」
マリが「やめて」と笑った。
――留学経験もおありだし、もしかしたら日本人に興味がないだけかもしれないし、立場上言わないだけで、決まった人がいるのかもしれない。とにかく、想っても報われないから気をつけて。
なにかが一つにつながったような気がした。だとしたら〝好きだ〟と言ってくれたあれはなんだったのか――
(うそ)
そう喉の奥でつぶやくものの、どちらに対して言っているのか自分でもわからない。ただ激しく口の中が乾き、喉の痛みを感じた。
「タクミとは彼が留学中に知り合ったのだけど、グランパ関係でね。家族ぐるみのつきあいよ。お互いの結びつきは利益が大きいし、両家ともに、私たちの結婚に賛成していて楽しみにしているわ」
「・・そうですか。申し訳ございません、まったく知らなかったもので、大変失礼いたしました」
「あら、いいのよ。口の堅いタクミが会社の人にプライベートなことを話すとは思えないから。ただ、セクレタリーならコンタクトの関係で説明しているだろうって思ってしまって。こっちこそ悪かったわ」
「いえ、そんな」
「ねぇ、ツバキ、あなたおいくつ?」
「私の年ですか? 二十二です。もうすぐ、三になりますが」
「えー、若い!」
若いというマリだって充分すぎるほど若く見える。西洋人は年上に見えがちだが、マリは二十代半ばほどの印象なのだが。
「コールドマンさまは?」
マリが「やめて」と笑った。