溺愛同棲～イケメン社長に一途に愛される毎日です～
　最終面接を終えて間もなく、本屋に行った際にビジネス系の雑誌に真壁が載っていることを気づいて買ったことを思い出した。対談記事であったが、その時、年の離れた妹ができるはずだったが、死産だってことが語られていたことを思い出した。それを読み、気の毒だとひどく胸を痛めたのだ。

　自分なりに解決したらなんだか一息ついた感じがする。夕食も食べ終わり、ほっとしたらドッと疲れを感じた。

（一人になってはじめての一週間だったし、マリさんのことが気になっていたし。なんだかすっごく疲れた。お風呂入って寝よう。匠さん、遅くなるって言っていたから）

　はうっと深呼吸をしてから、椿は立ち上がった。

　　　＊＊＊＊

　翌朝。結局、椿が起きている間に真壁が帰ってくることもなく、朝になって顔を合わせた時にはジムに行って汗を流したあとだった。

　朝食を用意して二人で食すと、真壁が外出を提案した。

「どこまで行くのですか？」

「墨田まで」

「墨田？　スカイツリー？」

「いや」

「違うんですか？」

「うん、違う。まぁついておいで」

「えー」

　椿のブーイングに真壁が声を上げて笑う。

「行ってからのお楽しみだ。きっと喜ぶから」

　そう言われたら辛い。一瞬ぷくっと膨れた頬がすぐにしぼんだ。

　そんな会話を交わしつつ食後のコーヒーを飲み、出かける用意に取りかかった。

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