溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
マリの反論を怒声が制した。マリだけではなく椿までも驚いてビクンと肩を震わせる。
「これは僕とマリの問題で椿は関係ない。筋を取り違うなっ」
「だ、だって・・」
「だってじゃない。三人の問題ではない。僕と椿の問題は僕と椿が話し合って決める。マリとの関係は僕らが二人で話し合えばいいことだ。それにそもそも僕らは男女の問題として交際していたわけじゃない。家族ぐるみでのつきあいだ。誤解を生むような態度を取ったことはない。そうだろう?」
「タクミ――でも」
「では聞くが、マリは一度でも僕に告白したのか? 僕がマリに交際を申し込んだのか?」
マリは唇を噛んで俯いた。
「マリがどう思っていたのか、なにを考えていたのか、感じなかったということはないけど、だからこそ務めて誤解が生じないように気をつけていた。それが僕の真実だ。今回の渡航ではじめてマリから気持ちを聞いた。だから本心を答えた。僕には心に想う人がいる。その想いがようやく実った。だからマリの気持ちに応えることはできない、そうはっきり伝えた。そうだろう?」
「――――――え、え」
「椿が好きだ。ずっと彼女を守っていきたい。そう思っている」
失望の色を濃く浮かべ、絶望的な顔を向けるマリの前で、椿は俯いたまま膝の上の両手をぎゅっと握りしめた。
(匠さん――)
「これは僕とマリの問題で椿は関係ない。筋を取り違うなっ」
「だ、だって・・」
「だってじゃない。三人の問題ではない。僕と椿の問題は僕と椿が話し合って決める。マリとの関係は僕らが二人で話し合えばいいことだ。それにそもそも僕らは男女の問題として交際していたわけじゃない。家族ぐるみでのつきあいだ。誤解を生むような態度を取ったことはない。そうだろう?」
「タクミ――でも」
「では聞くが、マリは一度でも僕に告白したのか? 僕がマリに交際を申し込んだのか?」
マリは唇を噛んで俯いた。
「マリがどう思っていたのか、なにを考えていたのか、感じなかったということはないけど、だからこそ務めて誤解が生じないように気をつけていた。それが僕の真実だ。今回の渡航ではじめてマリから気持ちを聞いた。だから本心を答えた。僕には心に想う人がいる。その想いがようやく実った。だからマリの気持ちに応えることはできない、そうはっきり伝えた。そうだろう?」
「――――――え、え」
「椿が好きだ。ずっと彼女を守っていきたい。そう思っている」
失望の色を濃く浮かべ、絶望的な顔を向けるマリの前で、椿は俯いたまま膝の上の両手をぎゅっと握りしめた。
(匠さん――)