溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
「すぐに確認を――え?」

 いきなり手から受話器が消えた。驚いて顔を上げると真壁が真横に立っていて椿の電話に向かって話しかけている。

「もしもし、真壁だ。どうかしたか?」

『あ、社長! 今日の一時の会議、クライアントも出席されるんですが、まだ承認されてないんです。どうなっていますか?』

「一時?」

 真壁は顎と肩で受話器を挟み、椿のパソコンに手を伸ばして画面を覗き込む。

「あぁ、これか。確かに聞いてないなぁ」

『え!』

「いや、いい。クライアントも出席されるなら僕も出席する。進めてくれ」

『ありがとうございます。よろしくお願いします』

「うん。あ、それから、雪代さんはまだ入社して間もない。焦っていたのはわかるがまだ業務に慣れていない。ニューフェイスへの配慮は頼むよ」

『あ、すみません! 気をつけます。では、失礼します』

 真壁が受話器を置くと顔を椿に向けた。さすがにちょっと目元が厳しい。

「すみません」

「慌てなくていい。誰だってミスをするし、慌てもする。山瀬さんもうっかりしたのだろうが、それを補い合うのが仲間だ。でも、経緯だけ教えてもらえるかな」

 正直に、山瀬が受けたのだろう今回の件を自分は聞いていなかったこと、今朝の山瀬は体調不良で休みを取り今病院だということ、真壁が電話をしていたので躊躇したこと、そこに催促の電話がかかってきたことを告げた。

< 30 / 186 >

この作品をシェア

pagetop