溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
 翌日、金曜日の朝。出勤した椿は真壁からのメールを確認し、彼のスケジュール表に入力と更新する作業から始まった。


『雪代さん、おはよう。早々に悪いんだけど、午前中、外せない急用ができた。出社は十一時頃になるかと思う。調整をよろしく頼む』

 午前中に入っている予定は社内での会議が二件だ。九時半からと十一時から。慌てて九時の会議の責任者に電話を入れ、真壁が出席できない旨を伝える。同時にダミーで確保している時間を、調整のために確保した、と告げて変更できるかどうか打診した。この時間に変更できなければ、改めて申請し直してもらわないとならないが、それは椿が関知するところではない。

 もう一件の十一時からの会議のほうは大丈夫だろう。こっちは特になにもせずスルーした。出勤するなりいきなりのことで慌てたものの、なんとか終えてほっとした。

(仕方ないけど、いきなりはこわすぎるぅ~)

 パソコンがピコンと鳴った。椿の打診した日時でOKとの返事だ。

(やった)

 急いで変更を入力し、決定する。これで調整は完了だ。

「よかった」

 ほっと胸をなでおろして、ようやく本来の業務に着手する。と言っても、椿の場合は山瀬に教えられたことを復習することが現在もっぱらの仕事になるのだが。

 渡された取引先の社名と社長名と担当者名が書かれたリストをじっと眺める。

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