溺愛同棲～イケメン社長に一途に愛される毎日です～
（なんか・・暗記試験を思い出すなぁ）

　真壁が円滑に業務を行えるように整えるだけではなく、取引先には心証をよくしてもらえるように配慮することも大切だ。と同時に、真壁との接触が多いスタッフの部署と名前も覚えなくてはいけない。

（脳みそ、爆発しそう・・覚えることありすぎる。でもこれ、真壁社長も山瀬さんも完璧に頭に入っているんだもんなぁ。二人とも、すごい）

　一人で暗記に精を出していると扉がノックされた。

「はい」

　反射的に立ち上がった。それと同時に扉が開いた。

「十一時から打ち合わせなんですが、社長ってまだですか？」

「――え」

　慌てて壁に掛けられている時計を見ると、とっくに十一時を過ぎているではないか。いつの間にか十一時十五分になっていた。

「あ！」

「待ってても来られないし、どうされたのかもと思って」

　冷や汗が背中を流れていく。てっきり十一時には戻ってきて問題なく打ち合わせに参加すると思い込んでいた。

「え、と。実は急に用意が入ったということで、今日の出社が十一時になると連絡があったんです。ですが、そちらの会議には間に合うと思って連絡しませんでした。ですが、どうも遅れていらっしゃるようで・・」

　そう答えた矢先、入ってきた若いスタッフが「はぁ？！」と大きな声を上げた。その大きさにひっと肩をすくめる。


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