溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
(どこに行くのかな・・)

 尋ねてこないということは、目的の店は決まっているのだろう。黙ってついていくと高そうな鮨屋に入った。

「昨日は中華だったから、ちょっとあっさり系がいいかなぁと思って。ここでもいいよね?」

「はい。お寿司しは大好きです」

「昼はお任せコースしかないんだ」

 店員が手拭きとお茶と茶碗蒸しを置くのを見て真壁が注釈する。

「さっきの件だけど、僕が急に予定を変えたから慌てたのだろうが、業務が滞らないように気を配るのが雪代さんの仕事だ。連絡はし過ぎるくらいがちょうどいい。十一時帰社なら間に合うと踏んだのだろうが、こういう時は悪いほ
うを優先して考え、手を打つものだ」

「すみません。気をつけます」

「そうだね、重々気をつけてほしい。自分で判断できない時はメールしてくれたらいいんだ」

「はい」

 しょぼんと肩を落としてると、にぎりの盛り合わせが目の前に置かれた。

「きれい・・」

 マグロ、ウニ、イクラ、トリ貝、穴子、エビ、サーモン、アジ、コハダ、イカ、出し巻き卵と、色とりどりだ。そこに赤だしの味噌汁。
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