溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
会場に溢れる吐息は、椿と同じように見惚れている女性たちが発したものだろう。みなが憧れる真壁の下で働けることに椿は言いようのない喜びを感じていた。
『――我々はともに戦っていくみなさんを心から歓迎しています。新社会人として不安もあろうかと思いますが、なにか起こっても一人で悩まず、苦しまず、協力し合ってまいりましょう。本日は本当におめでとうございます』
真壁が締めくくりの言葉を述べて軽く頭を下げると、拍手が起こった。
今までの中でもっとも大きな拍手には幹部たちは少々呆れた様子だったが、それがグループ会社を束ねる真壁CEOの息子で、未来のCEOになる真壁匠の人気を如実に表していた。それは新入社員たちより、仕事によってここにいるスタッフたちの送った拍手だったからだ。
進行役がアナウンスを続ける。これからそれぞれ在籍することになる会社に分かれ、個別の説明に入る。社別に会場の出入り口を指定されて誘導が始まる。
椿は言われた場所に向かった。ラクビズからは誰が迎えにきてくれているのだろうか。総務課か、人事部か。
「雪代さん、こっちだよ」
「――あ、はいっ・・えっ、ええっ!」
名前を呼ばれて振り返ると、そこに真壁が立っているではないか。驚きのあまり声が裏返ってしまった。
『――我々はともに戦っていくみなさんを心から歓迎しています。新社会人として不安もあろうかと思いますが、なにか起こっても一人で悩まず、苦しまず、協力し合ってまいりましょう。本日は本当におめでとうございます』
真壁が締めくくりの言葉を述べて軽く頭を下げると、拍手が起こった。
今までの中でもっとも大きな拍手には幹部たちは少々呆れた様子だったが、それがグループ会社を束ねる真壁CEOの息子で、未来のCEOになる真壁匠の人気を如実に表していた。それは新入社員たちより、仕事によってここにいるスタッフたちの送った拍手だったからだ。
進行役がアナウンスを続ける。これからそれぞれ在籍することになる会社に分かれ、個別の説明に入る。社別に会場の出入り口を指定されて誘導が始まる。
椿は言われた場所に向かった。ラクビズからは誰が迎えにきてくれているのだろうか。総務課か、人事部か。
「雪代さん、こっちだよ」
「――あ、はいっ・・えっ、ええっ!」
名前を呼ばれて振り返ると、そこに真壁が立っているではないか。驚きのあまり声が裏返ってしまった。