溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
 ますます戸惑いがこみ上げてくる。

「それに僕にとってのプライベートタイムは君にとってもプライベートタイムでもあるんだから、張りつく必要はない。用事がある時に頼むから、その時に対応してくれたらいいんだ。家賃を払うどころかインカムが入ってくるんだからいい話だろ?」

 そうなのだろうか? 椿は首をかしげた。

(お金には困っていないのだけど……そりゃあ多いに越したことはないけど・・でも・・)

「決まりだ。えーっと、十時半か。そろそろ来ると思う」

「来る? なにがですか?」

「引っ越しの業者」

「えぇ!?」

「昨日、手配しておいたんだ」

 昨日?

 椿は昨日の午前中、真壁が外せない急な用事で出社時間が遅くなったことを思い出した。例のトラブルの件だ。もしかして・・と疑念が湧く。

「昨日って、午前中の外出は」

「うん。引っ越しの手配とベッドなどの手配をしていた」

 やっぱり――椿はあまりのことに息をのんでそのまま固まった。

 そんなことをしなければ、昨日、あんなことは起こらなかったのに。

「ここ、七畳くらいだろ? 君に使ってもらう部屋はここより広いから、荷物はまるっと運んでもらって大丈夫だ」

(それって・・)

 答えに窮していると、ドアフォンが鳴った。真壁が対応すると、引っ越し業者だと名乗る。鍵を解除して待ち、彼らがやって来ると、同じことを説明した。

< 57 / 186 >

この作品をシェア

pagetop