溺愛同棲~イケメン社長に一途に愛される毎日です~
 頭の中が真っ白だ。

 なにを言われているのかよくわからない。だが、熱いまなざしが嘘ではないことを語っている。

(どういうこと? ずっと前から知ってた?)

 記憶をたどるが、まったく思い出せない。こんなイケメン、会えば忘れないはずだ。いくら椿が奥手で恋愛に疎くても。

「あ、の」

「わからないのは僕の責任だが。でも、何度か会っている。ちゃんと初対面の挨拶も交わした。言えばすぐにわかるだろうけど、それは悔しいから僕からは言わない。考えて思い出してほしい。でも、君が今日から、いや、ラクビズの内定を受け取った時から、僕のものになったことは確かだ。公私ともに」

「社長・・」

「プライベートタイムの呼び名は〝匠〟だ。いいね?」

「・・・・・・」

「僕は〝椿〟と呼ぶから」

 ジン、と体の奥底が震えた。

 今まで感じたことのない、甘い痺れがこみ上げてくる。その痺れの正体がなんなのか椿にはわからなかった。

「返事は?」

 促され、思わず「はい」と言いそうになり、踏みとどまる。

(言ってしまって、いいの?)
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