俺が本当の恋を教えてやるよ。(仮)

高校初登校日

*****過去・・・春.
1
雲一つない青空に、桜の花びら。

今日が私の高校の初登校日、入学式。

ではなく、みんなからしたら登校4日目が私の初めてとなった。

前々で準備してきたものを邪魔するかのように、私は38度を超える高熱に寝込んだ。
タイミングが昔から悪い、特に普段体が弱いなどない。もちろん風邪をひくこともないのに…と自分を責めながら重い足でとりあえず学校に向かう。

(きっと友達とかグループとか出来てるよな…
1人で3年間過ごすのかな…
こんなことなら普通の学校に通えばよかったかな…)

ぼーっと考えながら、電車のドアが空いた。
乗るか、乗らないか、悩み足を進めようした時、
髪が長い同じ制服、同じリボンだと思われる女の子が手を振ってきた。
(え?私???そんな訳ないけど、すごい振ってるし周りに誰も居ないし)
慌てて振り替えそうとすると、後ろから勢いよくなにかに突き飛ばされた。

――――ドンッ
『きゃっ…あ…』一瞬目の前で何が起こったかわからなくて気付いたらなにかの上にかぶさっていた。

『はー…ってえな』
後ろからため息と低く小さい声が聞こえ、その言葉に焦って慌てて顔をあげると私をかばうように倒れ込む男の人の姿があった。

(え?私…え?)

『す、すみませんでしたっ!!』
ショートの女の子が謝って、手を振っていた少し髪の長い子の元に逃げ走っていった。

『だ、大丈夫ですか…?』私の下敷きになっていた男性に声をかけると、無言で立ち上がり手を差し出した。

『君こそ』

『私は大丈夫ですけど、あなたのが…服が…』
と、慌ててポケットからティッシュを出す私の手を止め男性が続けた。
『いや、俺じゃなくて。
お前、頭大丈夫か?って言ってんの?
電車のドアが空いたら、突っ立ってねーで乗れよ!ぶつかってきた子よりよっぽどお前のが悪いだろ逆に謝れよあの子らに』

『先程は』と勢いよく振り返り、『ごめんなさいっ。』と謝った先に女の子達の姿なかった。

『どーせ、制服の感じから同じ学校だろうから会ったら謝れ、あとぼーっとするな!』
強く勢いよく怒られ、相手の人の顔など見れず、ひたすら下を向いて謝った。
『すみませんほんとに…』
突然のことすぎて驚きと、動揺と、焦りで…

後ろの方からなにか聞こえた気がして、
振り返ると、長く大きな手に押さえつけらた。

――――プシュー
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