幸せの晴れ
最後は父親の足にすがっている。
すると父親はヒョイと女の子を抱き上げて
「わかった、買ってあげるからもう泣くんじゃない。」
と、女の子の涙を拭いた。
すると、女の子はたちまち笑顔になり、
「パパ、ありがとう。」
と、ギューっと抱き着いて売店の中へと入って行った。
私はその一連の流れに見入ってしまった。
「陽菜ちゃん?」
晴也に呼ばれふと我に返る。
「あの子、5歳くらいかな?
私が5歳の時ってもう母親いなかったし、
おばぁちゃんと2人きりであんな風に駄々こねた事なかったなぁ。」
「そうなんだ…。」