人面瘡
30分ほどかけて雄生がやっと傷口を切り取ってくれた。


切り取られた顔はもう顔の形状はしておらず、黒い塊になっていた。


リビングの床には大量の血が広がっている。


バスタオルで血液を吸い取りながらの作業でも、これだけの出血を伴うのだ。


これでは女に呪い殺されるのと、出血多量で死ぬのと、どちらが早いかもわからない。


傷口を包帯で隠し、床を綺麗に掃除した後、「こんな事、続けられないよな」と、雄生が青ざめた顔でそう言った。


「そうだよね」


あたしは暗い顔で頷いた。


「なぁ、明日も学校をサボらないか?」


「え?」


「人面そうの由来となっている女の事をもっと詳しく調べてみよう。俺たちにはもっと上表が必要だ」


雄生の言葉に、あたしは頷いたのだった。
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