人面瘡
☆☆☆

翌日、あたしは雄生と約束した通り近所のコンビニに来ていた。


今日は私服姿で学校指定の鞄も持っていない。


それだけで少しドキドキしてしまう。


昨日切り取った傷口は、思っていた通り今日の朝には綺麗に塞がっていた。


女の顔が出て来るのは時間の問題だと考え、包帯を巻いてきている。


雑誌コーナーでしばらく時間を潰していると、雄生がやって来た。


雄生も今日は私服姿だ。


「悪い。待った?」


「ううん」


あたしは左右に首をふって雑誌を棚へ戻した。


傍から見れば平日のデート風景に見えるかもしれない。


すべてが終わった後、本当に雄生とこんな風にデートがしてみたい。


そう思いながら、あたしと雄生は一緒にコンビニを出たのだった。
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