人面瘡
☆☆☆

2人で向かった先は市立図書館だった。


このあたりでは一番大きな図書館だから、なにかヒントがあるかもしれないと思ったのだ。


図書館の中に人はまばらで、数人の大人たちが本を読んでいるだけだった。


自分たちが浮いているように感じられて、足早にカウンターの前を歩いて行った。


もし学生だとバレたら学校に連絡が行ってしまうかもしれない。


学生だとバレないように気を付けながら、あたしたちは妖怪や幽霊と言った類の本が置いてある棚へと向かった。


あまり人気のないジャンルなのか、棚の3分の1ほどしか置かれていない。


「とりあえず、ここから人面そうについて探してみよう」


「うん」


雄生の言葉に頷いて、あたしは本を手に取ったのだった。

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