人面瘡
縮まる
翌日のあたしは朝から慌ただしかった。


いつもより早く起きてクローゼットの中を吟味する。


可愛い服を取り出して鏡の前でジッと思案する。


そんな事をしていたらお母さんに「彼氏でもできた?」と、背中をつつかれてしまった。


雄生相手なのにこんなに悩んでいる自分が少しだけおかしかった。


子供頃はどんな服装だって、気にならなかったのに。


そのくらい、あたしは雄生の事を気にかけているのだろう。


1時間ほどかけてようやく着ていく服を決めて、髪型もいつもより可愛くした。


鏡の前に立つとどうにか普段より可愛く見える。


ホッと安堵のため息を漏らした時、玄関のチャイムが鳴ってビクッと飛び跳ねてしまった。


「はい」


あたしは返事をしながら玄関を開けると、そこには雄生が立っていた。

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