人面瘡

「うそでしょ、こんなのあり得ない」


そう言う自分の声がひどく震えていた。


あたしは確かに人の顔を切り取ったはずだった。


それなのに、なんで……？


呆然と立ち尽くしたその時だった。


ムズムズとしたかゆみが右膝を襲った。


咄嗟に手を伸ばしてしまい、ハッと我に返った。


右膝を確認してみると、そこにはボコボコとした皮膚が存在していた。


「な……んんで……？」


さっきまでこんなことはなかったハズだ。


傷がふさがっている事自体、あり得ないことなのに！