極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「この間した約束は、やはり守れそうにないな。のどかのそばにいて、普段通りに振る舞うのはできそうにない」
「それは、困ります! そこを何とか」
再び胸を押し返すようにして訴えると、フッと笑った慶太さんはやっと私を解放する。
「わかってるよ」そう言いながら、一人奥のデスクへと向かっていった。
その広い背中を目に、高鳴ってしまった鼓動を落ち着かせるように大きく息を吐く。
やっと気を取り直して目にすることができた社長室は、ドアの向こうのフロアとは雰囲気が違い、モノトーンの配色で落ち着いた空間に整えられていた。
デスクも、革張りのチェアも黒く、応接セットもだ。
「突然だけど、のどかにとって、ウエディングプランナーという仕事は、どんなもの?」
今の今まで悪戯な笑みを浮かべていた慶太さんは、デスクまで行った姿を振り向かせると、その顔付きは一変していた。
Primary Stageという業界最大手の企業を先頭で引っ張っている、社長としての真面目で真剣な顔だった。
「私は、お客様の過去と今と…….それから、未来を繋ぐ仕事だと思っています」