極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


「父から会社を引き継いだ一年ほど前から、あの人は俺の結婚を急かすようになってきた。社のために、身を固めた方がいいのも理屈的にはよくわかってた。でも、それだけはあの人の言いなりになりたくなかった」


慶太さんの言葉には、今までのお義母様との確執が窺える。

お父様が再婚をしてから、新しく迎え入れたお義母様に、子どもなりに気を使い、我慢も多くしてきたのだろう。

そして、弟が生まれ、疎外感や嫌な思いもきっとあったはずだ。

慶太さんの口から出る“あの人”という呼び方が、それを物語っている気がしてならない。


「だから……縁談の話を?」

「ああ。初めは、仕方なくあの人の顔を立てて付き合ったこともあった。でも、その後に全て断りを入れるような形で……今はもう、話自体受けないようにしている」


取り分けたサラダの載るお皿を手に、話に聞き入っていると、慶太さんは真顔だった表情に薄っすらと笑みを浮かべる。

そして、「いただこうか」と声を掛けてくれた。

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