極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


落ち着きを取り戻し、部屋へと戻ると、慶太さんは「行こうか」と私が戻るのを待っていた様子だった。

自然と腰へと腕が回され、お店の出口へと向かって連れて行かれる。

黒服の男の人や女性のウェイトレスの人たちに丁寧に挨拶をされ、寄り添う慶太さんに「あのっ」と声を掛けていた。

「お支払いは……」と尋ねようとしたものの、「ん?」と微笑み返されてしまい、私が席を離れたうちに済ませていたのを察する。

こういうスマートな行動をなんてことなくしてしまうから、改めてデキる男性は違うのだな、なんて感心してしまう。

慶太さんのようなクラスの人になると、女性に財布を出させないのかもしれない。

だけど、私にとったらそれは申し訳ない気がして落ち着かない。

でも、こういう場合は、食い下がっても逆に申し訳ないよね……?


「すみません……ご馳走様でした」


改まってお礼を口にすると、お店を出たところで額に軽く口付けを落とされた。

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