極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
「そうでしたか……」
長谷川さんの声にも張りがなくなる。
ワクワクしながら行うはずの打ち合わせはどんよりと重い空気となり、とても結婚式の話をしているとは思えない暗いものとなっていく。
二人はもちろん、プランナーの長谷川さんまでもが黙り込んでしまい、私はつい「あのっ」と声を上げてしまっていた。
「よろしければ……美陽さんの、お父様との思い出をお話いただけないでしょうか?」
本当は一切口を挟まないつもりだった。
だけど、長谷川さんの動揺がありありと伝わってきて、フォローを入れないといけないと瞬間的に思ってしまった。
突然投げ掛けられた質問に、美陽さんは「え……?」と不思議そうな面持ちで私の顔を見つめていた。
「思い出、ですか……?」
「はい、何でもいいんです。子どもの頃でも、いつでもいいので、お父様との印象深いことを。よくこんな話をしたとか、よく遊びに行った場所とか」