極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


高速道路を降りて海岸線の道に出ると、車は伊豆半島を下っていく。

“熱海ビーチライン”という有料道路に入り、いよいよ目的地が近付いてくるのを感じ取った。


「熱海も、昔は観光地として賑わっていたみたいだけど、今はすっかり寂れた感じみたいだよ」

「そうなんですか?」

「のどかのご両親が訪れていた頃は、ちょうど流行っていた時代だろうな。ここ何年かは旅館も閉めるところが相次いでいるし、観光地にしては寂しい感じの風景も見受けられるから」


緩やかな曲線を描く海岸線を運転しながら「そろそろ見えるよ」と慶太さんが言うと、半島の先に現れたのは海沿いの街といった風景だった。

海を囲うように多くの建物が並び、それは海岸からその背後にある山沿いにまで連なる。

思っていたより栄えている観光地だと目に映ったけれど、近付いてみると慶太さんの教えてくれた通り、建物だけを残し営業していない宿が何軒も見受けられた。

< 229 / 358 >

この作品をシェア

pagetop