極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
もしかして初っ端からセンスのない希望を出してしまったのだろうか……?
そんな不安に駆られながらも、車はビーチ通りを抜け、山沿いの道に入っていく。
トンネルを抜けてしばらくすると、目的の熱海城の駐車場へとたどり着いた。
お城の下に駐車場があり、車を降りると目の前にどんと石垣が聳える。
ドアを開けてくれた慶太さんの横に立ち、「城だ……」と見上げていた。
「でものどか、知ってる? 熱海城って歴史的建造物じゃないんだよ」
「えっ?! そ、そうなんですか?」
「城郭は歴史的に実在したものじゃないんだ。城風に造られた観光施設って感じかな」
「し、知らなかった……。熱海城ってお城があるものとばかり……」
衝撃的事実に唖然とする私を見て、慶太さんはクスッと笑う。
城を前に立ち尽くす私の手を取り、「行ってみよう」と引き寄せた。