極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~
澄子叔母さんから再び出てきた“廃業”という言葉に、この時になってやっと話が繋がっていくような思いだった。
だけど、上手く全てが噛み合わない。
私がこの突然の申し込みを断ることで、うちの式場が吸収されてしまうなんて話や、まさか廃業に追い込まれることになるなんて、どうしたって納得がいかない。
「……わかりました。では、いい返事をお待ちしております」
澄子叔母さんに向けていた目を園咲さんへ移すと、彼は上品な笑みを浮かべていた。
急かすこともなく、もちろん脅すようなこともせず、頭を下げ、入ってきた扉に向かって歩み出す。
控える女性も私たちに向かって一礼をし、その後へと続いていった。