極甘ウエディング~ようこそ俺の花嫁さん~


一気に色々なことが押し寄せるようにやってきて、その先の生活にまで頭が回っていなかった。

結婚を承諾するのか、それができなければうちの式場を傘下に入れる。

その問題を解決するのにずっと頭がいっぱいだった。

だけど、結婚をするということは、やっぱり一緒に生活をしなくてはいけないということなの?!


「あのっ、聞いていません! 新居って」

「ここでは不満ですか?」


そんな風に返されて、ぶんぶんと横に首を振る。


「コンシェルジュ付きでセキュリティも万全の場所を選びました。場所も最高層で眺めもいいですし、部屋数も満足してもらえると思うんですが」


都内のこの立地でその条件の物件なんて、私が住むような場所じゃない。

とんでもないところを新居だなんて言われてしまい、そこまでの説明でもう目が回りそうだった。


「違うんです、新居って、あの、その……」

「もしかして、『私たち、一緒に住むんですか?』とか言っちゃいます?」

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