《短編》*さよなら、また明日*
先に言っておく。


僕には、霊感というのは一切ない。


だから、わからない。わからないんだ。


僕の目の前にいるヤツは、何者なのか…。



多分、いまの僕はかなりのあほ面だろう。

だって、こんなの見たら誰だっていまの僕みたいになるはずだ。


仕方ない…はず。



『……だ、だれですか』



何年も話してなかったみたいに、僕の声は掠れていた。


声は大きくなかったけど、声は届いたみたいで、ヤツは振り向いた。




「それ、あたしに言ってるの?」




無邪気に笑うヤツは、制服を纏った可愛らしい顔の女子高生だった。



『当たり前。だれですか?』



女子高生だとわかると、安心して声も落ち着く。だけど、おかしい。

どうして、彼女は見ず知らずの僕の家にいるのか。そして、鍵もしまった部屋に入ることができたのか。




「茅野 梨奈。それが、あたしの名前だよ。」


そう言うと、彼女はやっぱり無邪気に笑った。
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