イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 


彼らが私の下着を振り回してふざけていたことは、言わないでいてくれた。

正義感が強く小さな問題もすぐにみんなで話し合おうとする担任にもし知られていたら、まちがいなくホームルームの議題にされていたと思う。

そうなったら、恥ずかしさに耐えきれず逃げ出していたに違いない。

拓海が守ってくれた。
それが嬉しくて、私は十年以上前に落ちた初恋をいまだに忘れられずにいる。


スミレさんや店員さんに相談して、上品な薄いピンクとブルー、二セットの下着を買った。
かわいい紙袋にいれてもらい、なんだか照れくさい気持ちで店を出ると、スミレさんに腕を掴まれた。


「じゃあ、次はメイクをしてもらいに行こうか!」
「へ? メイク!?」

メイクなんて、私がもっとも苦手とする分野だ。


 
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