イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「なんか、すげぇむかつく」
拓海がそう吐き捨てながら、私の背後にある冷蔵庫にドンとひじをついた。
ふたりの距離が縮まり、至近距離で視線が絡み心臓が飛び跳ねる。
「……お前が、可愛い恰好して俺以外の男に会いに行くのかと思うと、イライラする」
低い声で投げつけられた言葉に、ずきりと胸が痛んだ。
私だって、自分に可愛い恰好が似合うなんて思ってないけど、拓海をイライラさせてしまうほどなのかと思うと悲しくなる。
うつむいて唇をかむと、拓海はうんざりしたように大きなため息をついた。
「それに、川口さん彼女いるぞ?」
今更な問いかけに、私はきょとんとして顔を上げた。
目を瞬かせながらうなずくと拓海の表情がさらに険しくなった。
「お前、知ってたのか?」
「当たり前だよ。川口さんの彼女のスミレさんは、私の先輩だもん」
というか、もともとスミレさんの恋人だったから川口さんとも親しくなったわけで、ふたりが付き合っていることなんて最初からわかりきってる。